どれくらいの状態で人の手助けが必要なのかの基準ってないのよね。
だから介護の判断って難しいんだと思う。
それを原稿にするのもほんとに難しい。
介護ほど「人による」と但し書きしたくなるテーマもないくらいに。
自分に手助けが必要かどうかの判断は人によって違うもの。
なるべく手助けされたくない人もいれば、できるなら手助けしてほしい人もいる。
前者の中には、それでも適度に見極めながら無理と判断して連絡をする人もいれば、
ぎりぎりまでSOSを出さず手遅れ気味になる人もいる。
後者の中には、積極的に利用できるサービス早めに探す人もいれば、
手助けしてほしいんだけど言い出せない人もいる。
在宅で過ごしている要介護者がいとき、
いつ頃から施設を検討したほうがいいですか?という問いかけをよく見かけます。
例えば、認知症がある人の場合には、専門医の方などが
「トイレ介助が必要になった頃が検討の時期でしょう」と答えていたりしている。
そういう基準が独り歩きすると、
「トイレ介助が必要になったから施設を検討しよう!」と判断しかねないのよね。
もちろん、施設への入居がトイレ介助がきっかけになった人もいますし、
きっかけにするのがよい状態の人もいるから、一概に否定できないところが難しい。
でも、介護こそ「人による」とあえて言いたい。
客観的基準など気にしなくていいと。
本人がどうしたいか、家族がどうしたいか、
その答えをサービスの制度が答えてくれるかどうかだけと。
そのためには、本人がどうしたいかがわからなければならないし、
家族がどうしたいかを自問自答しなければならない。
そっちの見極めのほうが大事だし、難しい。
でもね、それが介護かなと思います。
制度があるから利用するのではなくて、必要だから制度を利用する。